2025.10.14

Gemini CLI extensionsでNano Bananaを使ってみた〜バイブコーディングな画像生成・編集〜

TL;DR

  • Gemini CLI とは、Googleが発表したターミナルからGeminiを使って様々な作業を行うAIエージェントツールです。このGemini CLIに機能拡張ができるGemini CLI Extensionsが発表されました。AtlassianやFigmaなどのパートナー企業がGemini CLI Extensionsを公開しています。
  • Nano Banana Extensionは、Googleの公開したGemini CLI Extensionsの一つで、ターミナル上でGeminiと対話しながら画像生成・編集が可能です。また、特定の画像生成・編集のためのコマンドが実装されておりアイコンやフローチャートの生成、画像の復元やストーリー生成などが可能です。

はじめに

こんにちは、グループ研究開発本部のAI研究開発室のT.I.です。生成AIを使ってふんわりと対話しながらノリと雰囲気でソフトウェア開発をするというバイブコーディング(Vibe Coding)という言葉が昨今飛び交っています。バイブコーディングを実現するAIエージェントツールの1つがGoogleが発表しているGemini CLIです。これは、Command Line Interface (CLI)を通じてGeminiが様々な作業を行うツールです(「Gemini CLI: your open-source AI agent」)。

Gemini CLIの実行例。CLIを通じて様々な作業を行うAIエージェントツールです。(図は公式GitHubリポジトリより)

更に先日、GoogleはGemini CLIの拡張機能として、Gemini CLI Extensionsを発表しました(「Now open for building: Introducing Gemini CLI extensions」)。Gemini CLI Extensionsにより、どのようなことができるのかは、この公式の動画が参考になります(「Gemini CLI Extensions」)。このデモでは、Geminiと対話しながらNano Bananaを使用してロゴを生成したり、Webサイト用のサンプル画像を生成しています。

Gemini CLI Extensionsのデモ動画。Nano Bananaを使って、テキストプロンプトから画像生成や編集を行っています。(動画は公式サイトより)

Gemini CLI Extensionの技術要素はMCPサーバーとカスタムコマンド、コンテキストファイルを統合したものです。インストールはGitHubのURLなどを指定するだけで、簡単にGemini CLIに新しい機能を追加できます。

Gemini CLI Extensionsの概要。(図は公式ブログより)

そして、すでに複数のパートナー企業がGemini CLI Extensionsを公開しております。AtlassianやFigmaなどシステム開発の業務で活用できそうなものも多数あります。

Gemini CLI Extensionsのパートナー企業一覧。(図は公式ブログより)

主要なextensionsに関しては、公式のドキュメントでまとめられていますので、まずはこちらを参照してください(「Browse Gemini CLI Extensions」)。

Gemini CLI Extensionsの公式ドキュメント。(図は公式ドキュメントより)

Gemini CLIを使ってみる: データ分析環境構築、EDAとレポート作成作成

さて、まずは、Gemini CLIでどのようなことが可能なのか、簡単なデータ分析の例を通じて紹介します。公式リポジトリ(Gemini CLI GitHub Repository)の手順にしたがって、npmでインストールしてみます。

$ npm install -g @google/gemini-cli

あとは、Terminalでgeminiと叩けば実行されます。初回実行時には画面のデザインや認証情報の設定が求められます。認証情報の設定の方法としては、Google AccountやGemini API Key、もしくはVertex AIを使う方法があります。一番簡単なのは、Google Accountとの連携で、ブラウザが立ち上がり、Google Accountでログインして認証を行います。この場合ですと、100万トークンのコンテキストウィンドウを持つGemini 2.5 Proをバックエンドとして、1分あたり60リクエストで、1日あたり1,000リクエストまで無料で利用できます。

$ gemini

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Tips for getting started:
1. Ask questions, edit files, or run commands.
2. Be specific for the best results.
3. /help for more information.

Using: 2 open files (ctrl+g to view) | 1 GEMINI.md file | 1 MCP server (ctrl+t to view)

 >   Type your message or @path/to/file

あとは、Terminal上で対話的に作業をしてもらったり、/から始まる特定のコマンドを実行できます。具体的な使い方については、/helpコマンドでヘルプを表示できます。また/docsコマンドを実行するとGemini CLIの公式ドキュメントがブラウザで開かれますので、より詳しい使い方についてはそちらを参照してください(参照「Gemini CLI Documentation」)。Google検索機能も組み込まれているので、検索結果を元にした回答も可能です。また、/以外で重要なコマンドとしては、!を押すとシェルコマンドを実行することもできます。@を押すとファイルのパスを指定できます。

さて、Gemini CLIを使ったAIエージェントの実行例として、Pythonのデータ分析環境を構築し、ペンギンのデータセットを使ってEDA(探索的データ分析)を行い、レポートを作成してみます。ただ、そんなことよりも、今回の本題はGemini CLI Extensionsなので、そちらに興味のある方は以下のリンクを押してスキップしてください。

本題のNano Bananaのデモにさっさと移動 ➡️ Gemini CLI Extensionsを使ってみる: Nano Bananaによる画像生成・編集

AIエージェントの挙動を制御するために、GEMINI.mdという設定ファイルを利用できます。これは、/initコマンドでプロジェクトの解析を行い、GEMINI.mdを自動生成することも可能です。ここでは、Pythonのデータ環境をuvを使って構築し、実行するために以下のような指示をあらかじめ記述しておきます。

# Python

- python 環境の構築・実行では必ず `uv` を使用すること
- `uv init` で環境の初期化
- `uv run` でアプリケーションの実行
- `uv add`でパッケージのインストールを行う

## データ分析環境の構築 (VS Code)

- VS CodeのJupyter Notebook機能を利用する場合、以下のコマンドで主要なライブラリをインストールする
- `uv add pandas numpy matplotlib scikit-learn seaborn ipykernel`
- VS CodeでPython拡張機能とJupyter拡張機能をインストール後、`.ipynb`ファイルを開くと自動的にカーネルが認識される

まずは、Pythonのデータ分析環境を構築します。以下の実行結果のログで「>」はユーザーの入力を示し、「✦」はGemini CLIの応答を示します。なお、実際の実行ではツールの利用承諾などの確認が入る場合がありますが、ここでは省略しています。

> pythonのデータ分析環境を構築してください

✦ はい、承知いたしました。uv を使用してPythonのデータ分析環境を構築します。

  まず、uv init を実行して、プロジェクトの初期化を行います。これにより、pyprojet.tomlファイルが作成され、Pythonの仮想環境が構築されます。

   ✓  Shell uv init (Initialize a new Python project with uv.)

      Initialized project `gemini-cli-eda-demo`

✦ プロジェクトの初期化が完了しました。

  次に、データ分析に必要なライブラリ(pandas, numpy, matplotlib, scikit-learn, seaborn, ipykernel)をインストールします。

   ✓  Shell uv add pandas numpy matplotlib scikit-learn seaborn ipykernel (Install data analysis libraries.)

      Using CPython 3.13.3
      Creating virtual environment at: .venv
      Resolved 51 packages in 188ms
      Installed 46 packages in 510ms
       + appnope==0.1.4
       (略)
       + wcwidth==0.2.14

✦ データ分析環境の構築が完了しました。

  必要なライブラリがすべてインストールされています。

  次に、VS CodeでPython拡張機能とJupyter拡張機能をインストールしてください。その後、.ipynb ファイルを開くと、今回設定した環境が自動的にカーネルとして認識されます。

これでPythonのデータ分析環境が構築できました。続いて、ペンギンのデータセットを使ってEDA(探索的データ分析)を行い、レポートを作成してみます。

> seabornのpenguinsデータセットを読み込み、簡単なEDAをするコードを作成してください

✦ はい、承知いたしました。

  seabornのpenguinsデータセットを読み込み、基本的な情報表示と可視化を行う簡単なEDA(探索的データ分析)のコードを記述したJupyter Notebook
  (eda.ipynb) を作成します。

  このファイルには以下の処理が含まれています。
   - データセットの読み込み
   - 先頭5行の表示 (head)
   - データセットの基本情報表示 (info)
   - 要約統計量の表示 (describe)
   - 欠損値の確認
   - 欠損値を含む行の削除
   - ペアプロット(変数間の関係を一覧表示)の作成
   - 種ごとのくちばしの長さの箱ひげ図を作成

   ✓  WriteFile Writing to eda.ipynb

       1 {
       2  "cells": [
       3   {
       4    "cell_type": "code",
       5    "execution_count": null,
       6    "metadata": {},
       7    "outputs": [],
       8    "source": [
       9     "import seaborn as sns\n",
      10     "import matplotlib.pyplot as plt\n",
      11     "import pandas as pd\n",
      (...略...)
     57 }

✦ eda.ipynb を作成しました。

  VS Codeでこのファイルを開き、セルを実行してください。先ほど構築したPython環境がJupyterのカーネルとして自動的に認識され、コードを実行できます。

Jupyter Notebookのコードを生成しましたが、1つのセルに全てのコードが入っているだけで、わざわざJupyter Notebookにする意義がないですね。python scriptに変更して実行してもらいます。

> ipynbではなく、python script を作成し、uvで実行してください

✦ はい、承知いたしました。Jupyter Notebookの代わりにPythonスクリプトを作成し、uv runで実行します。

  まず、先ほど作成したeda.ipynbの内容を読み取ります。

   ✓  ReadFile eda.ipynb

✦ ありがとうございます。

  Notebookの内容をPythonスクリプトに変換します。スクリプトでは、plt.show()でプロットを表示する代わりに、プロットを画像ファイル(penguins_pair
  plot.png, penguins_boxplot.png)として保存するように変更します。

  eda.pyという名前で以下の内容のスクリプトを作成します。

   ✓  WriteFile Writing to eda.py

       1 import seaborn as sns
       2 import matplotlib.pyplot as plt
       3 import pandas as pd
       4
       5 # Load the dataset
       6 penguins = sns.load_dataset("penguins")
       7
       8 # Display basic information
       9 print("First 5 rows:")
      10 print(penguins.head())
      11 print("\nDataframe Info:")
      12 penguins.info()
      13 print("\nDescriptive Statistics:")
      14 print(penguins.describe())
      15
      16 # Check for missing values
      17 print("\nMissing values:")
      18 print(penguins.isnull().sum())
      19
      20 # Drop rows with missing values for simplicity in this example
      21 penguins_cleaned = penguins.dropna()
      22 print(f"\nShape after dropping NA: {penguins_cleaned.shape}")
      23
      24
      25 # Create a pairplot and save it
      26 print("\nGenerating and saving pairplot...")
      27 pairplot_fig = sns.pairplot(penguins_cleaned, hue="species")
      28 pairplot_fig.fig.suptitle("Pairplot of Penguins Dataset", y=1.02)
      29 pairplot_fig.savefig("penguins_pairplot.png")
      30 print("Saved pairplot to penguins_pairplot.png")
      31
      32 # Create a boxplot and save it
      33 print("\nGenerating and saving boxplot...")
      34 plt.figure(figsize=(10, 6))
      35 sns.boxplot(x="species", y="bill_length_mm", data=penguins_cleaned)
      36 plt.title("Bill Length by Species")
      37 plt.savefig("penguins_boxplot.png")
      38 print("Saved boxplot to penguins_boxplot.png")
      39
      40 print("\nEDA script finished.")
      41

✦ スクリプト eda.py を作成しました。

  次に、uv run を使ってこのスクリプトを実行します。

   ✓  Shell uv run eda.py (Run the EDA script using uv.)

      First 5 rows:
        species     island  bill_length_mm  ...  flipper_length_mm  body_mass_g     sex
      0  Adelie  Torgersen            39.1  ...              181.0       3750.0    Male
      1  Adelie  Torgersen            39.5  ...              186.0       3800.0  Female
      2  Adelie  Torgersen            40.3  ...              195.0       3250.0  Female
      3  Adelie  Torgersen             NaN  ...                NaN          NaN     NaN
      4  Adelie  Torgersen            36.7  ...              193.0       3450.0  Female

      [5 rows x 7 columns]

      Dataframe Info:
      <class 'pandas.core.frame.DataFrame'>
      RangeIndex: 344 entries, 0 to 343
      Data columns (total 7 columns):
       #   Column             Non-Null Count  Dtype
      ---  ------             --------------  -----
       0   species            344 non-null    object
       1   island             344 non-null    object
       2   bill_length_mm     342 non-null    float64
       3   bill_depth_mm      342 non-null    float64
       4   flipper_length_mm  342 non-null    float64
       5   body_mass_g        342 non-null    float64
       6   sex                333 non-null    object
      dtypes: float64(4), object(3)
      memory usage: 18.9+ KB

      Descriptive Statistics:
             bill_length_mm  bill_depth_mm  flipper_length_mm  body_mass_g
      count      342.000000     342.000000         342.000000   342.000000
      mean        43.921930      17.151170         200.915205  4201.754386
      std          5.459584       1.974793          14.061714   801.954536
      min         32.100000      13.100000         172.000000  2700.000000
      25%         39.225000      15.600000         190.000000  3550.000000
      50%         44.450000      17.300000         197.000000  4050.000000
      75%         48.500000      18.700000         213.000000  4750.000000
      max         59.600000      21.500000         231.000000  6300.000000

      Missing values:
      species               0
      island                0
      bill_length_mm        2
      bill_depth_mm         2
      flipper_length_mm     2
      body_mass_g           2
      sex                  11
      dtype: int64

      Shape after dropping NA: (333, 7)

      Generating and saving pairplot...
      Saved pairplot to penguins_pairplot.png

      Generating and saving boxplot...
      Saved boxplot to penguins_boxplot.png

      EDA script finished.

✦ スクリプトの実行が完了しました。

  コンソールに出力されたデータセットの基本情報に加えて、以下の2つの画像ファイルが生成されました。

   - penguins_pairplot.png (ペアプロット)
   - penguins_boxplot.png (箱ひげ図)

  プロジェクトディレクトリに保存されていますので、ご確認ください。
  他に何かお手伝いできることはありますか?

ううん、確かにコードを作ってくれましたが、ペアプロットとbill lengthの箱ひげ図だけでは、あまり面白くありません。もう少し具体的に指示を出して、レポートを作成してもらいましょう。

> ペンギンの種・性別ごとの特徴をviolin plot で可視化し、それぞれの特徴についての考察をMarkdown形式でレポートにしてください

✦ はい、承知いたしました。
  まず、ペンギンの種と性別ごとの特徴をバイオリンプロットで可視化するPythonスクリプトを作成・実行します。
  その後、生成されたプロットを用いて、考察をまとめたMarkdownレポートを作成します。

  最初に、violin_plot_eda.pyを作成して実行します。このスクリプトは、特徴ごとにプロットをPNGファイルとして保存します。

   ✓  WriteFile Writing to violin_plot_eda.py

       1 import seaborn as sns
       2 import matplotlib.pyplot as plt
       3 import pandas as pd
       4
       5 # Load and clean data
       6 penguins = sns.load_dataset("penguins")
       7 # Drop rows where sex is NA, as it's the primary grouping variable for the hue
       8 penguins_cleaned = penguins.dropna(subset=['sex'])
       9 print("Cleaned data shape:", penguins_cleaned.shape)
      10
      11 # List of features to plot
      12 features = ['bill_length_mm', 'bill_depth_mm', 'flipper_length_mm', 'body_mass_g']
      13
      14 # Generate a violin plot for each feature
      15 for feature in features:
      16     plt.figure(figsize=(12, 7))
      17     sns.violinplot(data=penguins_cleaned, x='species', y=feature, hue='sex', split=True)
      18     plt.title(f'Violin Plot of {feature} by Species and Sex', fontsize=16)
      19     plt.xticks(fontsize=12)
      20     plt.yticks(fontsize=12)
      21     plt.xlabel('Species', fontsize=14)
      22     plt.ylabel(feature, fontsize=14)
      23
      24     # Sanitize filename
      25     filename = f"violin_{feature.replace('_', '')}.png"
      26     plt.savefig(filename)
      27     print(f"Saved plot to {filename}")
      28
      29 print("\nAll violin plots generated.")

✦ スクリプトを作成しました。次に、uv runで実行してプロット画像を生成します。

   ✓  Shell uv run violin_plot_eda.py (Run the violin plot generation script.)

      Cleaned data shape: (333, 7)
      Saved plot to violin_billlengthmm.png
      Saved plot to violin_billdepthmm.png
      Saved plot to violin_flipperlengthmm.png
      Saved plot to violin_bodymassg.png

      All violin plots generated.

✦ プロットの生成が完了しました。

  それでは、これらの可視化結果を基に、各種・性別ごとの特徴と考察をまとめたMarkdown形式のレポート report.md を作成します。

   ✓  WriteFile Writing to report.md

       1 # ペンギンデータセットのEDAレポート:種と性別による特徴分析
       2
       3 このレポートは、`penguins`データセットを用いて、ペンギンの種(Species)と性別(Sex)ごとに各身体的特徴がどのように異なるかを分析したものです。可視化にはバイオリンプロットを使用しました。
       4
       5 ---
       6
       7 ## 1. くちばしの長さ (Bill Length)
       8
       9 ![くちばしの長さのバイオリンプロット](./violin_billlengthmm.png)
      10
      11 - **種による違い**:
      12   - Gentooペンギンは、他の2種(Adelie, Chinstrap)と比較して、くちばしが最も長い傾向があります。
      13   - AdelieとChinstrapのくちばしの長さの分布は似ていますが、Chinstrapの方がやや長い中央値を持っています。
      14 - **性別による違い**:
      15   - 3種すべてにおいて、オス(Male)はメス(Female)よりもくちばしが長いことが明確に示されています。分布の重なりは小さいです。
      16
      17 ---
      18
      19 ## 2. くちばしの深さ (Bill Depth)
      20
      21 ![くちばしの深さのバイオリンプロット](./violin_billdepthmm.png)
      22
      23 - **種による違い**:
      24   - Gentooペンギンは、くちばしが最も浅い(薄い)ことが特徴的です。
      25   - AdelieとChinstrapは深いくちばしを持ち、Adelieの方がChinstrapよりわずかに深い傾向が見られます。
      26 - **性別による違い**:
      27   - こちらでも、3種すべてでオスの方がメスよりもくちばしが深い(厚い)傾向が見られます。
      28
      29 ---
      30
      31 ## 3. フリッパーの長さ (Flipper Length)
      32
      33 ![フリッパーの長さのバイオリンプロット](./violin_flipperlengthmm.png)
      34
      35 - **種による違い**:
      36   - Gentooペンギンは、フリッパーが他の2種に比べて際立って長いことがわかります。分布の範囲もほとんど重なっていません。
      37   - AdelieとChinstrapのフリッパーの長さは似たような範囲に分布しています。
      38 - **性別による違い**:
      39   - わずかな差ですが、各種内でオスの方がメスよりもフリッパーが長い傾向にあります。
      40
      41 ---
      42
      43 ## 4. 体重 (Body Mass)
      44
      45 ![体重のバイオリンプロット](./violin_bodymassg.png)
      46
      47 - **種による違い**:
      48   - Gentooペンギンが最も体重が重い種です。
      49   - AdelieとChinstrapは似た体重分布をしていますが、Adelieの方がChinstrapよりわずかに軽い傾向が見られます。
      50 - **性別による違い**:
      51   - 体重は、性別による違いが最も顕著な特徴の一つです。3種すべてにおいて、オスはメスよりも明らかに体重が重いです。
      52
      53 ---
      54
      55 ## 総括
      56
      57 ペンギンの身体的特徴は、種によって大きく異なります。特にGentooペンギンは、長いくちばし、浅いくちばし、長いフリッパー、そして重い体重という点で他の2種と明確に区別できます。
      58
      59 また、すべての特徴において、オスはメスよりも大きい、または重いという一貫した性的二形(sexual dimorphism)が観察されました。この傾向は特に体重とくちばしのサイズで顕著です。

✦ レポート report.md を作成しました。

  このファイルには、先ほど生成した4つのプロット画像と、それぞれの特徴に関する考察がMarkdown形式でまとめられています。プロジェクトディレクトリからファイルをご確認ください。

  これですべての作業は完了です。他に何かお手伝いできることはありますか?

ペンギンの種・性別ごとの特徴をviolin plot で可視化した図

一応、形式だけでしたらもっともらしい感じにはなっていますが、図の読解や結論に関しては不正確な点が多く、分析レポートのクオリティとしては問題がありますね(Bill LengthがGentooとChinstrapが同じ程度なのに、Gentooが最も長いという点など)。もう少し丁寧にプロンプトを作成したり、GEMINI.mdへの指示を事細かく記載すれば、より良いレポートが作成できるかもしれませんが、そんなことするなら自分が分析する方が早いというジレンマがあります。

ちなみに、At command(@)でファイルを指定し読み込み・操作できます。画像ファイルも読み込むことが可能です。先ほどのEDAコードで生成された図を解説させてみます。

ペンギンの種類ごとに、くちばしの深さ(bill_depth_mm)の分布を比較した箱ひげ図(penguins_boxplot.png)
> @penguins_boxplot.png この図を解説してください

✦ はい、承知いたしました。この図は、ペンギンの種(species)ごとにくちばしの長さ(bill_length_mm)の分布を箱ひげ図で示したものです。

  以下に、この図から読み取れることを解説します。

  図の読み方

   * 箱(ボックス): データの中央50%(第一四分位数から第三四分位数まで)の範囲を示します。
   * 箱の中の線: 中央値(データを昇順に並べたときに真ん中に来る値)です。
   * ひげ(ウィスカー): 箱から上下に伸びる線で、データのばらつきの範囲を示します(外れ値を除く)。
   * 点(プロット): 外れ値(他のデータから大きく外れた値)です。

  各ペンギンの特徴

   1. Adelie(アデリーペンギン)
       * くちばしの長さは、3種の中で最も短く、分布のばらつきも小さいことがわかります。
       * 中央値は約39mmです。

   2. Chinstrap(ヒゲペンギン)
       * くちばしの長さの分布範囲が最も広いです。
       * 中央値は約49.5mmで、3種の中で最も長いくちばしを持つ傾向があります。

   3. Gentoo(ジェンツーペンギン)
       * 中央値は約47.5mmで、Chinstrapよりはわずかに短いですが、Adelieよりは明らかに長いです。
       * 約60mmのところに外れ値が1点あり、これは他のGentooペンギンと比べて、くちばしが異常に長い個体がいることを示しています。

  まとめ

  この図から、ペンギンのくちばしの長さは種によって明確な違いがあることがわかります。

   - Adelieは短く、ChinstrapとGentooは長い傾向にあります。
   - 特にChinstrapが最も長いくちばしを持つ傾向が強いと言えます。

この図のスケールでなぜ小数点以下1桁のレベルで数値が読み取れるのかと、そのコメントには少々胡散臭さはありますが、とりあえずは図を解説してくれました。

Gemini CLI Extensionsを使ってみる: Nano Bananaによる画像生成・編集

では前置きが長くなりましたが、今回の本題であるGoogle公式が公開しているNano BananaのExtensionを使ってみたいと思います(「Nano Banana GitHub Repository」)。インストールはgeminiコマンドで、GitHubのレポジトリを指定して行います。

$ gemini extensions install https://github.com/gemini-cli-extensions/nanobanana

インストールが完了していれば、gemini-cli上で/extensionsコマンドで確認できます。

> /extensions list

Installed extensions:
  nanobanana (v1.0.9) - active (up to date)

Nano Banana extensionが有効であれば、デモ動画でも紹介されていたように、明示的にコマンドを指定せずとも必要に応じて画像生成や編集を行ってくれます。

> いいかんじのコアラのアイコンを作成してください

   ✓  generate_icon (nanobanana MCP Server) {"style":"modern","prompt":"A cute and friendly koala","background":"transparent","sizes":[16,32…

      Successfully generated 6 image variation(s)

      Generated files:
      • /Users/TI/Documents/gemini-cli-eda-demo/nanobanana-output/a_cute_and_friendly_koala_modern.png
      • /Users/TI/Documents/gemini-cli-eda-demo/nanobanana-output/a_cute_and_friendly_koala_modern_1.png
      • /Users/TI/Documents/gemini-cli-eda-demo/nanobanana-output/a_cute_and_friendly_koala_modern_2.png
      • /Users/TI/Documents/gemini-cli-eda-demo/nanobanana-output/a_cute_and_friendly_koala_modern_3.png
      • /Users/TI/Documents/gemini-cli-eda-demo/nanobanana-output/a_cute_and_friendly_koala_modern_4.png
      • /Users/TI/Documents/gemini-cli-eda-demo/nanobanana-output/a_cute_and_friendly_koala_modern_5.png

✦ コアラのアイコンを6種類作成しました。ファイルは nanobanana-output ディレクトリに保存されています。

生成されたコアラのアイコンの例

と、丸投げの指示でもある程度、こちらの意図を察して生成してくれますが、出力結果を制御するために、以下の様なコマンドが用意されています。

  • /generate <prompt> – テキストプロンプトから画像生成
  • /edit <image_path> <prompt> – 既存の画像をテキストプロンプトに基づき編集
  • /restore <image_path> <prompt> – 既存の画像の修復
  • /icon <prompt> – アプリアイコンやUI要素の生成
  • /pattern <prompt> – シームレスなパターンやテクスチャ生成
  • /story <prompt> – ストーリーに基づいてシークエンシャルな画像生成
  • /diagram <prompt> – 技術的な図やフローチャートの生成
  • /nanobanana <prompt> – 自然言語で柔軟なプロンプトを使用して画像生成

以下ではこれらのコマンドの実際の使用例を紹介します。

/generate:画像生成

/generateは、基本的な画像生成コマンドです。オプションでスタイルなどの指定が可能です。

> /generate "ペンギンが群れをなして南極の雪面を歩いている風景" --style="photorealistic"  --preview

  ✓  generate_image (nanobanana MCP Server) {"preview":true,"prompt":"ペンギンが群れをなして南極の雪面を歩いている風景","styles":["photorealistic"]}

    Successfully generated 1 image variation(s)

     Generated files:
     • /Users/TI/Document/gemini-cli-demo/nanobanana-output/_photorealistic_style.png

✦ 画像を生成しました。--previewが指定されたため、自動的にプレビューが表示されます。
  生成されたファイル:
   * /Users/TI/Document/gemini-cli-demo/nanobanana-output/_photorealistic_style.png

生成された画像の例。ペンギンが群れをなして南極の雪面を歩いている風景

今回は--style="photorealistic"を指定しましたが、他にもpixel-artなど様々なスタイルが用意されています。詳しくはGitHubのリポジトリを参照してください。

/edit:画像編集

/editは、既存の画像をテキストプロンプトに基づいて編集するコマンドです。

> /edit penguin_photorealistic_style.png "夜景に変更してください" --preview


   ✓  edit_image (nanobanana MCP Server) {"prompt":"夜景に変更してください","preview":true,"file":"penguin_photorealistic_style.png"}

      Successfully editd image

      Generated files:
      • /Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/edit.png

✦ Successfully edited the image "penguin_photorealistic_style.png".
  The edited image is saved as "/Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/edit.png".
  The image will be opened in the default viewer.

編集された画像の例。夜景に変更しています。

/restore:画像修復

/restoreは古い画像などを修正するコマンドです。

> /restore old_photo.png "この古い写真の汚れやシミ除いて綺麗にしてください"

   ✓  restore_image (nanobanana MCP Server) {"prompt":"この古い写真の汚れやシミ除いて綺麗にしてください","file":"old_photo.png"}

      Successfully restored image

      Generated files:
      • /Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/restore.png

✦ Successfully restored the image "old_photo.png".
  The restored image is saved as "/Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/restore.png".

修復された画像の例。少し分かりにくいかもしれませんが、古い写真の汚れやシミが除かれて綺麗になっています。

/icon:アイコン生成

アイコンの作成や画像編集なども可能です。

> /icon "シンプルなペンギンのロゴ" --type="app-icon" --style="flat"

  ✓  generate_icon (nanobanana MCP Server) {"prompt":"シンプルなペンギンのロゴ","style":"flat","type":"app-icon"}

     Successfully generated 1 image variation(s)

     Generated files:
     • /Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/_flat_style_appicon_rounded_corn.png
✦ アイコンを生成しました。

  生成されたファイル:
   * /Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/_flat_style_appicon_rounded_corn.png
生成されたアイコンの例。シンプルなペンギンのロゴ

アイコンのサイズやタイプなどの指定も可能です。詳しくはGitHubのリポジトリを参照してください。少々背景が寂しいので/editで編集してみます。

> /edit nanobanana-output/_flat_style_appicon_rounded_corn.png "ペンギンのアイコン内の背景に氷河のデザインを追加してください"

  ✓  edit_image (nanobanana MCP Server) {"prompt":"ペンギンのアイコン内の背景に氷河のデザインを追加してください","file":"nanobanana-output/_flat_style_a…

     Successfully editd image

     Generated files:
     • /Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/edit.png

✦ 画像の編集が完了しました。

  生成されたファイル:
   * /Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/edit.png
編集されたアイコンの例。ペンギンのアイコン内の背景に氷河のデザインを追加しています。

期待通りの編集ができました。この種の編集修正が簡単にできるのは便利ですね。

/pattern:パターンの生成

/patternは、シームレスなパターンやテクスチャを生成するコマンドです。

> /pattern "ペンギンのシンプルなイラスト" --type="wallpaper" --colors="mono"


   ✓  generate_pattern (nanobanana MCP Server) {"type":"wallpaper","colors":"mono","prompt":"ペンギンのシンプルなイラスト"}

      Successfully generated 1 image variation(s)

      Generated files:
      • /Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/_abstract_style_wallpaper_patter.png

生成されたパターンの例。ペンギンのシンプルなイラストのモノクロ壁紙

こちらもサイズやパターンの種類などの指定が可能です。詳しくはGitHubのリポジトリを参照してください。

/story:時系列画像の生成

/storyは、時系列の画像を生成するコマンドです。最大8ステップまでの何かしらの連続したプロセスの画像を生成できます。

> /story "十牛図" --steps=8 --type="timeline"

   ✓  generate_story (nanobanana MCP Server) {"type":"timeline","steps":8,"prompt":"十牛図"}

      Successfully generated complete 8-step timeline sequence

      Generated files:
      • /Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/timelinestep1.png
      • /Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/timelinestep2.png
      • /Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/timelinestep3.png
      • /Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/timelinestep4.png
      • /Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/timelinestep5.png
      • /Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/timelinestep6.png
      • /Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/timelinestep7.png
      • /Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/timelinestep8.png

✦ Successfully generated 8 images for the timeline "十牛図".
  The images are saved in "/Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/".

生成された十牛図の例。本来は文字通り全部で10枚あるはずなのですが、都合上8枚までしか生成されていません。

このように時系列(?)のイメージが生成されましたが、謎のUIが付加されるなどスタイルがバラバラでどこかの統一感が欠けています。このコマンドもステップ数やシークエンスの種類、スタイルやレイアウトなど様々なオプションが用意されています。詳しくはGitHubのリポジトリを参照してください。

十の次は九ということで、無謀にも九相図の生成にもチャレンジしたのですが、一部の生成はエラーとなり2枚しか作成してくれませんでした、はて何故でしょうかね🤐

> /story "九相図" --steps=8 --type="timeline"

   ✓  generate_story (nanobanana MCP Server) {"prompt":"九相図","steps":8,"type":"timeline"}

      Generated 2 out of 8 requested timeline steps (6 steps failed)

      Generated files:
      • /Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/timelinestep1_1.png
      • /Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/timelinestep8_1.png

✦ I was able to generate 2 of the 8 requested images for the timeline "九相図".
  The generated images are saved in "/Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/".

生成された九相図の例。最初と最後(というわけでもありませんが)の2枚のみ生成されました。途中が出力されない事情については察してください。

/diagram:ダイアグラムの生成

/diagramは、技術的な図やフローチャートを生成するコマンドです。

> /diagram "ペンギンのライフサイクル" --type="flowchart" --style="professional" --preview

   ✓  generate_diagram (nanobanana MCP Server) {"preview":true,"style":"professional","prompt":"ペンギンのライフサイクル","type":"flowchart"}

      Successfully generated 1 image variation(s)

      Generated files:
      • /Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/_flowchart_diagram_professional__1.png

✦ Successfully generated a flowchart diagram for "ペンギンのライフサイクル".
  The image is saved as "/Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/_flowchart_diagram_professional__1.png".
  The image will be opened in the default viewer.

生成されたフローチャートの例。ペンギンのライフサイクル

こちらもダイアグラムの種類やスタイル、レイアウトなどの様々なオプションが指定可能です。詳しくはGitHubのリポジトリを参照してください。

/nanobanana:柔軟な画像生成・編集

明示的にコマンドを指定せずとも/nanobananaコマンドだけでも柔軟な対応が可能です。

> /nanobanana 制御性T細胞を解説するフローチャートを作成してください

  ✓  generate_diagram (nanobanana MCP Server) {"prompt":"制御性T細胞を解説するフローチャート","type":"flowchart"}

     Successfully generated 1 image variation(s)

     Generated files:
     • /Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/t_flowchart_diagram_professional.png

✦ フローチャートを生成しました。

  生成されたファイル:
   * /Users/TI/Documents/gemini-cli-demo/nanobanana-output/t_flowchart_diagram_professional.png

生成されたフローチャートの例。制御性T細胞を解説するフローチャート

やはりNano Bananaでも日本語の文字の正確な表現は難しいですね、内容も少々怪しいですし。

さて、nanobananaの機能はまだまだあるのですが、より詳しくは各自公式ドキュメントを参考にしてください。

(おまけ)Gemini CLI Extensionsのコマンドの実装について

さて、Gemini CLI Extensionsのnanobananaを使ってみましたが、それぞれの目的に特化したコマンドが実装されていました。最後にどのようにこれらの機能が実装されているのかを簡単に紹介します。GitHubのリポジトリをみるとcommandsディレクトリがあり、各コマンドのプロンプトが確認できます。これらはtoml形式で記述されています。例えば、/iconコマンドは以下のようになっています(icon.toml)。

description = "Generate app icons, favicons, and UI elements in multiple sizes and formats."
prompt = """
You are a command parser for the nanobanana icon command. You must validate arguments and return structured data.

Valid options:
- --sizes="16,32,64" (comma-separated list of valid sizes: 16, 32, 64, 128, 256, 512, 1024)
- --type="app-icon|favicon|ui-element" (default: app-icon)
- --style="flat|skeuomorphic|minimal|modern" (default: modern)
- --format="png|jpeg" (default: png)
- --background="transparent|white|black" or color name (default: transparent)
- --corners="rounded|sharp" (default: rounded)
- --preview (flag)

User input: {{args}}

Parse this input and:
1. Extract the main prompt (text before any options, required)
2. Validate all options against allowed values
3. For --sizes, ensure all values are valid integers from the allowed list
4. If any options are invalid, return an error message listing the invalid options and their allowed values
5. If valid, call the generate_icon tool with the parsed parameters

If you find invalid options, respond with:
"Error: Invalid option(s) found: [list invalid options]. Valid options are: --sizes (comma-separated from: 16, 32, 64, 128, 256, 512, 1024), --type (app-icon, favicon, ui-element), --style (flat, skeuomorphic, minimal, modern), --format (png, jpeg), --background (transparent, white, black, or color name), --corners (rounded, sharp), --preview (flag)"

Otherwise, call generate_icon with the validated parameters.
"""

まとめ:AIツールとワークスロップ問題

今回のブログでは、GoogleのGeminiを利用したAIエージェントツールであるGemini CLIと、そのExtensionsの例としてGoogle公式が公開しているNano Banana Extensionを紹介しました。Gemini CLIのデモとして、いわゆるバイブコーディング的にデータ分析環境を構築し、簡単なEDAを実験してみましたが、まだまだ実用的なレベルには達していない印象です。というのも、データ分析では実際に手で触って考えることが重要であり、AIエージェントに丸投げしてしまうと、かえって非効率になる場合が多いからです。AIエージェントにフィードバックするにしても、データの内容を理解していないと、適切な指示もできません。AIに任せる作業と自分で行う作業の切り分けが重要だと思います。Nano Bananaの機能拡張を使用した画像生成・編集は、手軽に様々な画像を生成できるので、バイブコーディングで可能な作業が広がる印象を受けました。どちらも適切に利用していきたいですね。

バイブコーディングやディープリサーチ系のAIエージェントツールを利用されるケースが増えていると思いますが、セキュリティのリスクや成果物の品質や正確性などの観点から、まだまだ注意が必要です。AI生成の低品質コンテンツを指すスラングとして「AIスロップ」(by Wikipedia)」という言葉があります。スロップ(slop)とは、元は汚水や(家畜の餌にする)残飯などを指す語で、それが転じて「AIによる低品質コンテンツの氾濫」を意味するようになったそうです。そして最近になり、「Workslop (ワークスロップ)」という概念がスタンフォードとBetterUp Labsの研究者たちにより提唱されました。ワークスロップの定義とは、「一見すると優れた成果物のように見えるが、実際には内容が乏しく、与えられた課題を本質的に前進させることのないAI生成コンテンツ(AI generated work content that masquerades as good work, but lacks the substance to meaningfully advance a given task)」…だそうです(参考:「AI-Generated ‘Workslop’ Is Destroying Productivity」、「同僚がAIツールで作ったアウトプットがクソ過ぎて直すのが苦痛…米国で急増しているワークスロップと生産性の低下」)。この低品質で酷いアウトプットワークスロップを提出することで、結果的に同僚の負担を増やし、その生産性を低下させることが問題視されています。更に受け取った側は、宜なるかな、提出者に対して不快感を抱き、その評価も下がる傾向があると報告されています。こうした問題を避けるためにも、AIエージェントツールを利用する際には、アウトプットの品質をしっかりと確認し、必要に応じて修正や補完を行うことが重要ですね。

最後に

グループ研究開発本部 AI研究開発室では、データサイエンティスト/機械学習エンジニアを募集しています。ビッグデータの解析業務などAI研究開発室にご興味を持って頂ける方がいらっしゃいましたら、ぜひ募集職種一覧からご応募をお願いします。皆さんのご応募をお待ちしています。

東京大学医科学研究所との共同研究プロジェクトのデータサイエンティスト(バイオインフォマティクス)を募集しております。火力の高い優秀な方のご応募をお待ちしております。(by Ideogram 3.0)

参考資料

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