2016.08.09
ハードウェアウォレット『Ledger Nano S』体験レポート
こんにちは、次世代システム研究室のN.O.です。
TREZOR、Ledger Nanoに続きまして、USBトークン型ビットコインウォレット
Ledger Nano S試用の機会を頂きましたので、レポートします。
目次
- Ledger Nano Sとは?
- 同梱品
- セットアップ
- Bitcoinウォレット”Ledger Wallet Bitcoin”の使用
- Ethereumウォレット”Ledger Wallet Ethereum”の使用
- Googleの2段階認証プロセスでの使用
- リカバリする
Ledger Nano Sとは?
Ledger Nano SはUSBトークン型のビットコインウォレットです。ハードウェアで秘密鍵を管理しますので、ウォレットを盗まれるリスクを抑えることができます。BitcoinのほかにEthereumのウォレットとして、またFIDO U2F準拠ハードウェアキーとしても使用する事ができます。また今話題のEthereum Classicにも対応しているようです。Ledgerについてはこちらに詳しい説明がありますので合わせてご覧下さい。
同梱品
本体とUSBケーブル、ストラップ、説明書とリカバリシートが入っています。
セットアップ
Ledger nano Sを利用するには以下のデバイスが必要です。
- Windows (7+), Mac (10.8+), Linux or Chrome OS.
- Google Chrome or Chromium
- USB port
今回は MacBook Pro + El Capitan + Chromeでセットアップを行いました。またセットアップはこちらを参考に進めました。
本体の図
Ledger Nano SをPCに接続します。最初に「Welcome」が画面に表示されます。
左右のボタンを同時に押すと次の画面に遷移します。数回同時押しして画面を進めると”Configure as a new device?”と表示されますので右ボタンを押します。
1. PINコード
4桁の数値を入力します。
左右のボタンで0-9の数字を選択し、左右同時押しで右隣の桁に移動します。
2. PINコードの確認
再度PINコードを入力し、確定させます。ちなみにPINコードを3回間違えると初期化されます。
3. Write down your recovery wallet
24個の英単語が表示されますのでリカバリシートに記入していきます。このことからHierarchical Deterministic Walletsの仕組みを利用していると思われます。
この単語は電子機器に保管していなくてもウォレットを復元できるのが最大の利点でもありますので、リカバリシートに地道に手書きしていきます。
以下はリカバリシートです。
4. Confirm your recovery phrase
書き留めた単語が間違いないか確認されます。何番目の単語は何か?という質問が来ますので、順番も含めて正しくリカバリシートに記入する必要があります。
これでセットアップは完了です。
Bitcoinウォレット”Ledger Wallet Bitcoin”の使用
ウォレットはChromeアプリとして提供されています。
使い方の流れはウォレットを起動後、Ledger Nano SをPCに接続し、PINコード入力、ウォレット選択、となります。
はじめにBitcoinのウォレットを起動します。
Ledger Nano Sを接続し、PINコードを入力します。
Bitcoinを選択し、左右のボタンを同時押しします。
「Use wallet to view account」と表示され、PC上のウォレットが開きます。
Ledger Nano Sを接続しウォレットが開いた画面です
送金画面です。
受け取りの画面です。QRコードで読み取ることができます。注:このアドレスには送金しないでください。
Ledger Nano SをPCから取り外すと最初の画面に戻ります。
Ethereumウォレット”Ledger Wallet Ethereum”の使用
EhtereumのウォレットもChromeアプリで提供されます。
Ethereumウォレットアプリを起動した画面です。ETHのほかにETCも選択できることが分かります。
Ledger Nano Sを接続しPINコードを入力後、左右のボタンでEthereumを選択し、左右のボタンを同時押しします。
「Use wallet to view account」と表示され、PC上のウォレットが開きます。ロゴがEthereumのものになっています。
Ledger nano Sを接続しウォレットが開いた画面です。
送金画面です。
実際に送金してみました。送金直前の確認もLedger nano Sで実施する形でした。
送金量、gas使用量、宛先が順番に表示されます。右ボタンを押すと送金されます。
受け取りの画面です。
こちらもLedger Nano SをPCから取り外すと最初の画面に戻ります。
またEthereum Classicのウォレットとしても利用できました。右上に「ETC」と表示されています。
Googleの2段階認証プロセスでの使用
Ledger Nano SはGoogleの2段階認証プロセスでも利用可能です。2段階認証プロセスにセキュリティ キーを使用する – Google アカウント ヘルプを参考にセキュリティ キーとして追加します。
画面の指示に従い2段階認証にセキュリティ キーを追加します。
この時Ledger Nano SをUSB接続しPINコードを入力後、左右のボタンで”FIDO U2F”を選択し、左右同時押しをします。
“Service Google”と表示されるので右ボタンを押します。
“Ready to authenticate”と表示されます。これでセキュリティ キーが追加されます。
セキュリティキーが追加された画面です。
ログイン
実際のログインの場面ではメールアドレス、パスワードの入力後、セキュリティ キーの挿入を要求されます。
ログイン後はUSBからLedger nano Sを抜いてもそのまま使うことができました。
リカバリする
Ledger Nano Sでは3回PINコードを間違えると初期化されます。ここでどのくらいの所要時間でリカバリできるか試してみます。
3回間違えると初期化されます。
左右ボタンの同時押しで画面を進めると「Welcome」の画面に戻ります。
“Configure as a new device?”と表示されますのでここでは左ボタン(×)を押します。
すると次の画面で”Restore configration?”と表示されますので右ボタンを押します。
1. PINコードを入力します。更に試しで最初に入力したものと違うPINコードにしてみます。
2. PINコードを確認します。
3. Enter your recovery phrase
ここからリカバリシートに記入した単語を入力していきます。
リストアの単語数を選択します。
24wordsを選択します。
緊張の1番目の単語です
なんということでしょう、単語をハードウェア側で入力する模様です。少し気が遠くなります。
1文字目入力すると文字が絞られました。入力支援があるようです。
さらに数文字入力すると単語を選択する画面になりました。単語が数個に絞られると左右ボタンで選択できるようになります。意外と早く入力できそうです。
24単語を入力し、Ledger Nano Sのリカバリが完了しました。PINコードは別のものに設定しても大丈夫なようです。
無事ウォレットも開くことができました。
ここまで所要時間15分ほどでリカバリすることができました。
所感
仮想通貨で使用する秘密鍵=ウォレットは盗難や紛失によって財産を失うことになりますので、ウォレットを安全に運用できるUSBトークン型のウォレットで仮想通貨を安心して扱うことができると良いと思います。
操作については2つのボタンの使い方、右・左で「選択」、同時押しで「OK」というのに慣れれば、あとは画面に説明が表示されますので簡単に扱う事ができます。
しかしながら多機能ゆえに認証先を選択するステップが発生するため、専用のUSBトークンに比べると操作が多少冗長になってしまいます。
ただこの点は一度ウォレットを開いてしまえば気になりませんので、ウォレット以外の用途にも使いたいと考えるなら、オールインワンで済みますので良い選択となります。
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