2020.07.03

分散型金融(DeFi)の実践

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こんにちは。次世代システム研究室のL.W.です。

今回は、Zoomでのトークイベントにて紹介した「分散型金融(DeFi)の実践」を、時間の都合上お話できなかった部分の補足などを交えて取り上げたいと思います。

ブロックチェーンのイーサリアムでは、現行の金融システムでの中央銀行、商業銀行のような機能の持つプラットフォームもあれば、フラッシュローン、CPMMMベースの取引所のようなブロックチェーンならではのイノベーションもあります。

今回の発表では、DeFiの基礎、DeFiプロトコルのガバナンス、リスク、有力なプロジェクト(プロトコル)などを解説してみます。そして、イーサリアムテストネットワークでのトークンの発行、ON-CHAINクラウドファンディングの形式、DEXを通しての価値交換、無担保融資のフラッシュローンの実践についても紹介します。

 




 

概要

最近のブロックチェーン界隈では、このタイトルのニュース「DeFi will do to banks what the Internet did to newspapers」が流されています。確かにインターネットは新聞に深刻な影響を与えていますが、DeFiというものは一体どのような威力がありどのように銀行に衝撃を与えるのでしょうか。

DeFi(Decentralized Finance、分散型金融)は次世代金融システムのトレンドと言われています。ブロックチェーンで最も注目を浴びている分野の一つとして、天才開発者、投資ファンド、エンタープライズがどんどん参入していて、コミュニティが構築されています。

特にパブリックチェーンのイーサリアムでトークンの発行、決済、ICO、レンディング、デリバティブ、アセット、分散型取引所(DEX)などの金融分野において、目玉商品(プロジェクト)がどんどん出回っていて、莫大な資金が取り扱われています。

DeFiは現在と未来を支えるテクノロジーになれるのか。いつか現行の金融システムに取って代わることできるのか。どこが革命的なのか。金融パラダイムチェンジをもたらすのか。今知らないと損だと思っています。

DeFiは日進月歩に進んでいるので、僕の勉強不足で、理解間違いがあるかもしれないですが、敢えて一石を投じて、DeFiのことを知って頂いて、この革命的なムーブメントに乗り遅れないように願っています。

 

キーワード解説

※プレゼン資料にでるキーワードを補足します。

 

ブロックチェーン全般

DAPP

分散型アプリケーションのことです。サーバーを主体として管理されるアプリケーション(APP)と異なり、DAPPはブロックチェーンを利用して、中央管理者なしで運営、管理できるのが特徴を持ちます。

オンチェーン(ON-CHAIN)

取引はブロックチェーン上には記録されることを指します。

オフチェーン(OFF-CHAIN)

取引はブロックチェーン上には記録されないことを指します。

Oracle(オラクル)

ブロックチェーンにおけるオラクルとは、スマートコントラクトに外部の情報を提供するサードパーティ(Third Party)のサービスのことです。ブロックチェーンと外の世界をつなぐ役割を果たします。

 

ブロックチェーンの特性

検閲耐性

ブロックチェーンでの検閲耐性は中央集権的な組織によって、サービスを停止させられたり、取引が取り消しされたりすることがない性質です。

透明性

ブロックチェーンでの透明性は取引データは常にネットワーク内で監視される公開情報であり、マイニングも同じルールに則ることです。

改ざん耐性

ブロックチェーンでの改ざん耐性は取引データ、スマートコントラクトの実行結果は変更されたり、削除されたりすることがない性質です。

堅牢性

24時間365日がシステムがダウンなしで、いかなる攻撃に耐えられる性質です。

 

ブロックチェーンを支える技術

P2P

P2P通信はブロックチェーンのデータ管理の役割を担っています。ネットワークのノード同士は対等的に情報共有や決済のやりとりを可能にします。

暗号化技術

公開鍵暗号技術により電子署名を用いて相手との安全な取引を実現したり、台帳情報の共有による取引の透明性とプライバシー保護を両立したりしています。

スマートコントラクト

契約の自動化のことです。さまざまな業務処理で、記述する条件を満たした場合に、支障なしで契約を行います。

コンセンサス

中央集権的な管理者を持たないブロックチェーンでは、台帳情報をネットワーク上の全員で共有するため、全体の合意形成を行います。

PoW、PoS、DPoSはコンセンサスアルゴリズムとしてよく知られます。

 

DeFi

STO(Security Token Offering)

トークンの中でもある国の法律において証券(Security)と定められるセキュリティトークンを利用した資金調達です。

IEO(Initial Exchange Offering)

ブロックチェーンプロジェクトの発行するトークンを、仮想通貨取引所が先行販売するサービスです。

IEOに参加すると、投資家は市場で一般に取引が開始される前の価格でトークンを購入することができます。IEOの参加者は公開価格より低い値段でトークンを購入できます。BinanceやHuobiといった仮想通貨取引所が積極的にIEOを行っています。

Balancer

DeFiのプロトコルの一つです。

Non-custodial portfolio manager, liquidity provider, and price sensor.

直近の6/29にて、Balancer自身の脆弱性で攻撃が遭って50万ドルを失ったというニュースが話題となっています。

Kyber

DeFiのDEXのプロトコルの一つです。

Kyber is an on-chain liquidity protocol that aggregates liquidity from a wide range of reserves, powering instant and secure token exchange in any decentralized application.

IDEX

DeFiのDEXのプロトコルの一つです。

IDEX is the first Ethereum based decentralized smart contract exchange to support real-time trading and high transaction throughput.

スリッページ(Slippage)

DEXでは流動性の変化(トークンの在庫)よりお客様が注文時に指定したレートと実際に約定するレートとの間にかい離が生じること。

スリッページの発生はDEX(特にCPMMM式にベースのDEX)の問題点として捕らえられています。

アービトラージ(Arbitrage)

アービトラージ取引とは、金利差や価格差を利用して利益を得ようとする取引です。

フロントランニング(Front Running)

攻撃対象者のオーダーを見た攻撃者(フロントランナー)が先回りして自身のオーダーを処理することで、攻撃対象者をより不利なレートで取引させる手段です。
株式市場では金融商品取引法で禁止されています。
DEX自体の安全性を大きく揺るがす問題ではないが、ユーザへの攻撃が仕掛けられる可能性があります。

 

ソースコード

今回のソースコードはこちら (Github) にて公開しています。

remixというオンラインEthereum IDEが使えば、スマートコントラクトを簡単にコンパイル、デプロイできます。MetaMaskと結合して、簡単にデプロイしたスマートコントラクトとやり取りできます。

ここで、remix版のスマートコントラクトソースを簡単に解説します。

JINJAToken.sol

JINJAトークンをオンチェーンクラウドファンディングで発行できます。

SENSOJI.sol

浅草寺のためのお賽銭のJINJAトークンの受け皿です。

Flashswap.sol

Uniswap V1Uniswap V2でのある取引ペアの価格差を利用して、無担保スワップを行えます。

DAPPはまずUniswap V2での取引ペアのスマートコントラクトのswap方法を呼び出して、このswap方法はFlashswapスマートコントラクトのuniswapV2Callを呼び出します。

※取引ペアのスマートコントラクトはFactoryスマートコントラクトよりダイナミックで生成されます。

 

さいごに

次世代システム研究室では、グループ全体のインテグレーションを支援してくれるアーキテクトを募集しています。インフラ設計、構築経験者の方、次世代システム研究室にご興味を持って頂ける方がいらっしゃいましたら、ぜひ募集職種一覧からご応募をお願いします。

皆さんのご応募をお待ちしています。