2024.09.27

OpenAI APIを使ってgit commitメッセージやコードレビューをAIに任せましょう!

次世代システム研究室の Y.I です。 OpenAI API を活用してちょっと便利なコマンドを作成したのでご紹介します。作成したものは、「自動Git Commitメッセージ生成」と「コードレビュー」機能です。LangChainやVectorDBなどを利用しなくても、発想次第で便利な機能を作れますので1例としてご覧ください。

機能紹介

Pythonで以下の機能を実現しています。

  • Git commitメッセージの自動生成
    Gitの変更履歴に基づき、適切な日本語のcommitメッセージを生成します。
  • コードレビューの自動化
    Gitの変更履歴に基づき、コードに問題がないかやパフォーマンス改善の提案を行います。
  • openai apiのtokenを環境変数から取り込み
    簡易的ですがtokenをScriptに直書きして漏洩しないように外から渡せるようにします。
  • 生成結果をクリップボードへコピー
    コピーする一手間を省略します。この一手間省略が使い勝手向上に役立ちます。

スクリプトの説明

このスクリプトは、主に以下のステップで構成されています。

1. コマンドライン引数の解析

スクリプトはargparseを使い、実行時に--review--commitのオプションを受け取り、どちらの機能を実行するかを判定します。

def parse_arguments():
    parser = argparse.ArgumentParser(description='openai apiに問い合わせる内容')
    parser.add_argument('--review', '-r', action='store_true', help='code review')
    parser.add_argument('--commit', '-c', action='store_true', help='git commit message')
    return parser.parse_args()

2. Gitの差分取得

git diffコマンドを実行し、Gitの変更内容を取得します。この結果が、後にOpenAI APIに送信され、commitメッセージやコードレビューに使用されます。

def get_git_diff():
    result = subprocess.run(['git', 'diff', 'HEAD'], stdout=subprocess.PIPE)
    return result.stdout.decode('utf-8')

3. OpenAI APIの呼び出し

OpenAI APIを使って、取得したGit差分に基づいて適切なメッセージを生成します。API呼び出しには、あらかじめ用意されたプロンプトを使い、モデルにはgpt-4o-miniを使用しています。git diff レベルの解析ならば、十分な回答を得られるのでコストを考慮して 4o-mini を利用しています。必要に応じて API を変更します。コマンドライン引数で設定するようにしても良いですね。

def exec_openai_api(prompt_system, prompt_user, diff_text):
    openai.api_key = api_key
    response = openai.chat.completions.create(
        model="gpt-4o-mini",
        messages=[
            {"role": "system", "content": prompt_system},
            {"role": "user", "content": prompt_user + f"#diff: {diff_text}"}
        ],
        max_tokens=1000
    )
    return response

4. commitメッセージ生成のプロンプト

commitメッセージを生成するためのプロンプトでは、AIに「コードレビューの専門家」として振る舞うように指示し、わかりやすい日本語でメッセージを生成します。特に「修正によりどのように変わるのか」を生成してもらうことで、commit messageに作成したコードの効果が明記され、将来にコード解析する際の手がかかりやレビューアーへ有益な情報を伝えることができます。

<

def generate_commit_message():
    return (
        "あなたはプログラムコードレビューの専門家です。",
        "git commitメッセージをmarkdownは使わずにplaintext形式の日本語で作ってください。"
        "メッセージは、要約、修正内容、修正によりどのように変わるのかを回答して。"
        "修正内容は特に簡潔に回答してください。"
        "回答がmax_tokensを超えてしまう場合は文字数が収まるように要約してください。"
    )

5. コードレビュー用のプロンプト

コードレビューを行う際には、詳細なチェック項目をAIに提供し、バグやパフォーマンスの改善点を指摘させる仕組みになっています。

def generate_codereview():
    return (
        "あなたはプログラムコードレビューの専門家です。",
        "git commitメッセージを元に、以下の観点でコードレビューしてください。"
        "また指摘があれば改善するサンプルコードも提示してください"
        + "バグがないかチェック"
        + "よりコード量が少なくなる効率が良いcodeの提案"
        + "無駄な処理を追加していないか"
        + "変数やメソッドパラメーターの値がNULLや0やマイナス値でも問題がないか"
        + "脆弱性につながるコードがないか"
        + "パフォーマンス改善につながる提案があるか"
        + "修正の目的を推測して、目的を満たしているか、より良い実現方法があれば提案してください"
        + "回答がmax_tokensを超えてしまう場合は文字数が収まるように要約してください"
    )

6. クリップボードへのコピー

回答結果を一手間少なく扱えるように、クリップボードにコピーします。 api利用token数は表示のみでコピー対象から外しています。

# clipboard へ copy
pyperclip.copy(commit_message)

7. script全体

python scriptの全体です。

import subprocess
import pyperclip
import os
import openai
import argparse

api_key = os.getenv('OPENAI_API_KEY')
if not api_key:
    print("環境変数 OPENAI_API_KEYを登録してください。 OPENAI_API_KEY='xxx...'")
    exit(1)

def parse_arguments():
    """Parse command-line args"""
    parser = argparse.ArgumentParser(description='openai apiに問い合わせる内容')
    parser.add_argument('--review', '-r', action='store_true', help='code review')
    parser.add_argument('--commit', '-c', action='store_true', help='git commit message')
    return parser.parse_args()

def get_git_diff():
    """git diff HEADを出力"""
    result = subprocess.run(['git', 'diff', 'HEAD~3'], stdout=subprocess.PIPE)
    return result.stdout.decode('utf-8')

def exec_openai_api(prompt_system, prompt_user, diff_text):
    """openai apiでgit commitメッセージを作成する"""
    openai.api_key = api_key
    response = openai.chat.completions.create(
        # model="gpt-4o",
        # model="gpt-4o-2024-08-06",
        model="gpt-4o-mini",
        # model="o1-preview",
        messages=[
            {"role": "system", "content": prompt_system},
            {"role": "user", "content": 
            prompt_user + f"#diff: {diff_text}"}
        ],
        max_tokens=1000
    )
    return response

def generate_commit_message():
    """openai apiでgit commitメッセージを作成する"""
    return (
        "あなたはプログラムコードレビューの専門家です。",
        "git commitメッセージをmarkdownは使わずにplaintext形式の日本語で作ってください。メッセージは、要約、修正内容、修正によりどのように変わるのかを回答して。修正内容は特に簡潔に回答してください。回答がmax_tokensを超えてしまう場合は文字数が収まるように要約してください。"
        )

def generate_codereview():
    """openai apiで codereview する"""
    return (
        "あなたはプログラムコードレビューの専門家です。",
        "git commitメッセージを元に、以下の観点でコードレビューしてください。また指摘があれば改善するサンプルコードも提示してください"
        + "バグがないかチェック"
        + "よりコード量が少なくなる効率が良いcodeの提案"
        + "無駄な処理を追加していないか"
        + "変数やメソッドパラメーターの値がNULLや0やマイナス値でも問題がないか"
        + "脆弱性につながるコードがないか"
        + "パフォーマンス改善につながる提案があるか"
        + "修正の目的を推測して、目的を満たしているか、より良い実現方法があれば提案してください"
        + "回答がmax_tokensを超えてしまう場合は文字数が収まるように要約してください。"
        )

def main():
    """メイン関数"""
    diff_text = get_git_diff()
    if not diff_text.strip():
        print("No changes to commit.")
        return

    args = parse_arguments()
    if args.review:
        prompt_system, prompt_user = generate_codereview()
    elif args.commit:
        prompt_system, prompt_user = generate_commit_message()
    else:
        prompt_system, prompt_user = generate_commit_message()
        
    response = exec_openai_api(prompt_system, prompt_user, diff_text)
    commit_message = response.choices[0].message.content.strip()
    print(f"commit message: {commit_message}")
    print(f"token: {response.usage}")

    # clipboard へ copy
    pyperclip.copy(commit_message)

if __name__ == "__main__":
    main()

実行結果

docker compose.yaml の volume に関する設定を変更した内容に対して、git commit message を生成してみた結果になります。

・git diff 内容

diff --git a/compose.yaml b/compose.yaml
index 7a99870..79e881e 100644
--- a/compose.yaml
+++ b/compose.yaml
@@ -39,7 +39,7 @@ networks:

 volumes:
   db1vol:
-    external: false
+    external: true
   db2vol:
-    external: false
+    external: true

・生成結果

commit message: コミットメッセージ:

要約: Docker Composeのボリューム設定を修正

修正内容: db1volおよびdb2volのexternal属性をfalseからtrueに変更

修正により: ボリュームが外部ボリュームとして扱われ、他のプロジェクトやサービスからもアクセス可能になる。
token: CompletionUsage(completion_tokens=78, prompt_tokens=202, total_tokens=280, completion_tokens_details={'reasoning_tokens': 0})

終わりに

このスクリプトを使えば、Gitのcommitメッセージやコードレビューの作業をAIに任せることができ、開発者の作業効率が向上します。OpenAI APIを活用したこのアプローチは、日々の開発作業をよりスマートに進めるための強力なツールです。ちょっとした script ですが、あまりの便利さにgit commit message を自分で記述する気になれません。。AI を利用してちょっとしたことから改善していきましょう!

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