2015.05.07

Agile Japan 2015 で発表してきました

こんにちは。次世代システム研究室の A.F. です。

2015年4月16日に開催されたAgile Japan 2015に参加し、公募セッションで発表してきたのでレポートします。

こちらが会場のJA共済ビル。桜満開です。
ビル

発表について





発表した内容はこのブログでも何度か取り上げているRFCモデルについてです。



テーマはアジャイルなオフショア開発の理想と現実でして、私がRFCモデルの理想論をまずお話し、現場で受入担当として活躍しているT.K.さんに現場での現実についてお話ししてもらいました。
私自身、いくつかお声がけ頂いたところでRFCモデルのお話しをしてきたのですが、その際にいつも感じていたのは現場から離れちゃってる自分が理想論だけ話すことにどれほどの価値があるんだろうかという事でした。
なので、 Agile Japan 事務局から公募セッションの採用の連絡を頂いた際、このような大きなイベントでせっかくお話しさせて頂けるのであれば、ぜひ現場のメンバーと一緒に話したいと思い、T.K.さんにお声がけしてみた次第です。



また、今回資料を作りながら改めて感じたのは、検査と適応の重要性についてです。一度決めたやり方(今回の場合は理想のRFCモデル)を守り続けるのではなく、しっかりと検査した上で改善案の適応を繰り返すことにより常にやり方を改善していく。そのような取り組みを今後も続けていきたいと考えています。

発表自体は言いたいことも言い切れたし、突然のアドリブにもT.K.さんは完璧に対応してくれたし、大満足の出来でした。

なお、午後の発表は3つの部屋に別れて並行で行われており、実行委員の方が各部屋の進行を行っていたのですが、この部屋の担当者は平鍋健児さん!アジャイル開発やリーン、XP関連の書籍の翻訳者、著者としても有名な平鍋さんに私達の発表を聞いてもらえるなんて大感激でした。さらにその後Twitterでも言及して頂き、大変嬉しかったです。


当日は発表以外の時間で数多くのセッションに参加してきました。その中で印象に残ったセッションの感想を下記します。

基調講演について

【アジャイル・テスティング 〜 チーム全体のためにテストとテスターができることを学ぶ旅】

実践アジャイルテスト』の共著者として有名な Janet Gregory 氏の発表でした。





オフショア開発に取り組んでいる私にとって、分散環境での取り組みの話しがとても参考になりました。発表の中で、分散環境の課題を乗り越えるために、下記のような施策を提案しています。
  • 全員にオープン
    • 意思決定
    • 計画づくり会議
    • 議事録
  • 均等な機会
    • 全員ヘッドセットで参加
  • コミュニケーションツールの積極的な活用
    • Virtual Face Time
この辺りの取り組みについては、私達のオフショア開発でも積極的に導入していきたいと考えてます。
また、「訪問することによって、初めてシチュエーションがわかった事が沢山あった」と話していて、これはまさにその通りだなと思いました。ベトナムでのオフショア開発においても、訪問する機会を積極的に増やしていきたいと考えてます。

【デジタル革命には アジャイルがよく似合う】

東京海上日動システムズ株式会社の横塚 裕志 氏の発表でした。

まず感じたのは、この方のプレゼンテーションスキルの高さについてです。話し方がうまく内容も面白かったためグイグイと引きこまれ、講演後にはかなりアゲアゲな気持ちにさせてもらえました。
特に印象に残った点を下記します。
■重要な4つの視点
1.Customer Centric
  • お客様視点が大切
  • メソッドを持ってないと無理
  • 皆デザイン思考を学ばなければならない
  • Design Thinking For Workshopという4日間の研修をやっている
  • シンガポールは小4から国をあげて実施している
2.Collaboration
  • ビジネスとエンジニアチームとお客様でコラボレーションする
3.Visible
  • 見えれば工夫できる
  • まずは物(プロトタイプ)を作ってみる
4.Iterative
  • お客様に教えてもらう
  • 会社全体を顧客視点に変えていかないといけない
  • This is Agile。Agileしかありえない。
  • 日本に定着させないと、日本は復活できない
■エンジニアからの発信
  • 社会課題の解決提案
  • テクノロジーで新しいビジネスを
デザイン思考を改めてしっかりと学びたいと強く感じました。また、エンジニアリングを通して社会の課題を解決、提案していきたいということは、まさに私自分が人生を通して取り組みたい事です。
まだ何もできていないので、腰を据えて取り組んでいきたいと思います。

その他のセッションについて

【水と油 ?、Agile と オフショア】

KDDI 株式会社の佐々木 徹 氏の発表でした。

私達と同じくベトナムでのオフショアの取り組みについての発表だったので、とても共感できる点が多かったです。
特に重用な3つで挙げられていた以下のキーワードについては、早速取り入れていきたいと思います。
  • UML
  • 明文化
  • 定量化

Enterprise Agileを現実のものに ―MicrosoftのALM-

日本マイクロソフト株式会社の板倉 真由美 氏の発表でした。
セッション資料はこちらからダウンロード可能です。

私自身、マイクロソフト社がここまでアジャイル開発に取り組まれていたことを、恥ずかしながら知らなかったのですが、 Visual Studio 2005 のデスマーチ的な開発プロジェクトから、2008のアジャイル開発へ見事に変貌を遂げたエピソードは聞いていてとても熱い気持ちになりました。Microsoftのデベロッパー向けカンファレンス、Buildでも数多くのリリースがされており、その背後にアジャイル開発の取り組みがあるのだとすると、アジャイル開発に関わる者としては大変嬉しく思いました。エンタープライズアジャイルというキーワードは引き続き注目していきたいと考えてます。

大規模スクラムの失敗から学んだこと 〜急成長をとげるAirレジの組織拡大の取り組み〜

株式会社リクルートライフスタイルの塚越 啓介 氏、佐橘 一旗 氏の発表でした。



リクルートライフスタイルの大規模スクラムといえば、以前100人スクラムという言葉が独り歩きしちゃってた印象がありましたが、実際に内情を聞いてみると改善を繰り返しながら、SAFe に近い形でしっかりと実践している印象を受けました。

おわりに

今年は Regional Scrum Gathering TokyoAgile Japan という、日本を代表するアジャイル開発の両イベントで講演させて頂くことができました。
一参加者として発表を聞いていた去年の時点ではこのような事になるなんて夢にも思いませんでしたが、地道に頑張ってきた成果を評価して頂けたのであれば嬉しい限りです。
一方で今回の発表でお話しした通り、現場との距離が徐々に離れてきてしまっていることも事実でして、その点については大変危機感も抱いてました。
今後も引き続き現場と関わり続けながら、日々「検査と適応」を繰り返すことにより、組織的にも個人的にも成長し続けていきたいと考えております。

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