2016.12.15
2016年のVRと今後
こんにちは。次世代システム研究室のT.Kです。
VR元年と言われた2016年も、残すところあと僅かになりました。
先日発売された”Oculus Touch”(2016年12月6日)で今年発売を予定していた、主要なハードは出揃ったのでは無いでしょうか。
個人的に10月に発売された”PS VR”が未だに手に入れられず、12月17日に賭けるか米国amazonに手を出すかでとても悩んでいる今日この頃です。
今回は、2016年VR元年を振返りつつ、今後の流れをOculus Connect 3の基調講演等から想像して見ようかと思います。
※参考サイト
2016年のVRを振り返って
2016年の大物一番手は、”Oculus Rift”になると思います。
“Oculus Rift”は前人気が非常に高かった為、品薄となり1ヶ月程後続の”HTC Vive”に少し遅れを取ってしまった印象です。
実際に海外メディアの2016年販売数予測においても、主要VR機器の予測販売台数は下記の様になっています。
[2016年03月] Oculus Rift:355,088台
[2016年04月] HTC Vive:420,108台
[2016年夏頃] Google Daydream:450,083台
[2016年10月] PS VR:2,602,307台
先日発売されたOculus Touchと同様の入力デバイスが、”HTC Vive”には発売時に付属していた事も要因の1つかと思います。
2016年に提供されたVRアトラクション施設などの多くでは、比較的”HTC Vive”の利用が多い様に感じます。
また、”Oculus Rift”・”HTC Vive”の両デバイス共、本体以外にハイスペックPCが必要と言う条件が一般ユーザにはハードルでしたが、後発機はこの問題を許容できるレベルまで低減する事が出来ていると言えるのでは無いでしょうか。
2016年後発機の代表は”PS VR”になるかと思います。
“Oculus Rift”&”HTC Vive”よりも半年程遅れての発売ではありましたが、PSブランドに加え有名ソフトの参入と、前述の費用面で先行機器の弱い所を多く抑えている事で、今一番勢いのある機器にになるかと思います。
下記は半年程前に調べたVR機器になりますが、HMD型からスマホ型まで多くのVR機器が開発されている事が伺えます。
幾つかの機器には、特徴的な機能を持ち、特に”FOVE”の”視線追跡”機能は注目です。
-
HMD型
- FOVE [視線追跡型HMD]
- Royole Royole-X [折畳み式VR ヘッドフォン付]
- StarVR [5K解像度/210度の広視野角]
- VISION DEVELOPER EDITION [スペックはoculus Riftを少し下回る(?)]
- 3Glasses D2 [中国製HMD]
- AMD Sulon Q [AR/VR統合型HMD]
- Idealens [AndroidベースのOS採用/9軸センサー搭載]
- Impression Pi [AR/VR統合型HMD]
- Lenovo ARスマホ
- Samsung Gear VR [Galaxy携帯必要]
スマホ型
2016年はVR機器以外にもVR開発対応ツール類も多く公開されました。
ゲーム開発ツールのunityやunreal engineは2016年夏前にはVR対応が追加されました。
前述の2ツールは知名度が高く、一部機能制限はありますが無料で利用出来る為、VR開発への取っ掛かりとしては非常に助かりました。
“unity([unity] Nougat + Daydream)”と”unreal engine([unreal engine] Unreal Engine 4 + Google VR)”には以前のブログでも少し触れてさせて頂きました。
今後のVRに関して
現在の主要VR機器としては、”HTC Vive”、”Oculus Rift”、”PS VR”の3機種になるかと思いますが、比較的最近の”Oculus Connect 3″から情報を元にイメージをしてみたいと思います。
“Oculus Connect 3″での講演によると、facebookでは『視線追跡』技術を元に、解像度切替えを経て、PCの必須スペック低減までを視野に入れているようです。
-
ユーザの視線を追跡して、視線先のみを高解像度で表示し、視線外の部分は低解像度に抑え、ディスプレイ負荷が軽減し、PCの必要スペックが低減出来る
『視線追跡』技術に関しては、VR空間で特定の位置を示せる入力手段と言う印象がありましたが、この技術を応用する事で多くの問題を解決出来る可能性があり、搭載が予想される第2世代型HMDが今からとても楽しみです。
『視線追跡』機能(Foveated Rendering)に関しては、今年の東京ゲームショウでも展示されていたFOVEが先行しているかと思いますが、facebookは『外部センサでは詳細な視線先を特定する事は出来ない』と考えているようなので、更に先にある技術を求めている事が伺われます。
シンプルに考えるとコンタクトなどをイメージしますが、その域まではかなり時間が掛かりそうです。
視覚の次に重要な器官である聴覚ですが、こちらも各音響メーカ以外でもかなり活発な動きがあるようです。
googleが今年の夏頃にオムニトーン(omnitone)を発表した事は記憶に新しいですが、VR音響技術でもハード面からの取組やソフト面からの取組など様々で現状どれが先を行っているのかは見えない印象です。
その他五感デバイスとしては、触覚に関しても少しずつ盛り上がって来ている様です。
電気信号を用いて重さや熱さを表現するものや、電磁石を用いて実際の触感を再現するデバイス等も研究されているようです。
中でも海外の全身スーツ系デバイスはかなり大掛かりで、電気刺激で”抱きしめられる感覚”から”銃撃”・”暑さ”・”寒さ”、大型筐体と一緒になったものでは、重力までも再現されるようです。
恐らく全身スーツで大型筐体に固定されるものは1人でプレイする事は無いと思いますが、もしも壊れた時の事を想像と少し怖いですね。
味覚や聴覚に関しては前述の3感覚と比較すると、まだ研究段階の印象が強く、実際に体験する時期は先になりそうです。
最後に、次期HMDとして、ワイヤレス型の登場を予想されています。
確かに有線では可動範囲が狭いので第2世代に期待です。
また、現在のVR機器の多くはHMDや入力デバイスの動きを認識する為に、カメラや外部センサーを利用していますが、これらも改良される事で更に活用の幅が広がる事を期待しています。
個人感想
2016年は多くのVR機器や関連技術が、急に身近なモノになったと感じています。
現在はエンターテイメント面での利用が多く見受けられますが、医療や教育など様々な分野でも利用方法を模索されており、2017年以降も目の離せない技術になる事は間違いないかと思います。
現状一番熱いのはゲーム業界だと感じていますが、【VRにFITするゲーム】と言う事に関してはまだまだ模索している状況かと思いますので、チャレンジングなゲームをこれから多く見る事が出来ると思うと、今から楽しみです。
来年以降はVRに続き、MR等も続々と発表され、映画マトリックスの世界も近くなりそうです!!
次世代システム研究室でも、今年は”oculus Rift”を購入しVRに関する調査を進めており、来年以降も継続する事になるかと思います。
次世代システム研究室では、最新技術に興味のある方を募集しています。
他にもアプリケーション開発者の方、次世代システム研究室にご興味を持って頂ける方がいらっしゃいましたら、ぜひ募集職種一覧からご応募をお願いします。
グループ研究開発本部の最新情報をTwitterで配信中です。ぜひフォローください。
Follow @GMO_RD