2015.05.11

ピッチからアフターパーティまで熱狂の #SlushAsia 2015 をまるごと堪能してきました

こんにちは、T.Y. です。

※ 今回の記事は全編英語のイベントだったため筆者の翻訳力不足による不正確な内容を含んでいる可能性があります…申し訳ありません

今や世界最大級のスタートアップカンファレンスとなった「SLUSH」のアジア版である「SLUSH ASIA 2015」が先日、お台場で開催されたので参加してきました。

今回、弊社も当日開催されたアフターパーティ(カンファレンス後に行われるコミュニケーションイベント)のスポンサーとして参画しており、当社グループのGMOカルチャーインキュベーション株式会社が共同プロデュースさせていただきました。

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2008年にフィンランドで生まれたSLUSHは、僅か6年で参加者が200名から1万4000人まで増大するなど世界的に注目を集めるイベントです。’slush’とは「とけかけの雪」の意味で、実際、フィンランドでは冬が本格的に到来する前の毎年11月に開催されています。私もフィンランドに一年程滞在していたことがありますが、11月は暗く、寒く、そして雨とも雪ともつかない天候のせいで地面がぐちゃぐちゃして一年の中でも最も気が滅入る月です(12月は雪が積もるので反射光で周囲が明るくなってだいぶ気分が楽になります)。

あえてそうなる前の時期を選んで始まったというSLUSHですが、世界最大級のイベントになるとは当時は誰も信じていなかったそうで、Rovio 社の Peter Vesterback 氏の「11月のヘルシンキでもSLUSHは開催できた。もはやシリコンバレーだけがイノベーションを独占しているわけではない」というメッセージ(多分そう言っていた…はず)が印象に残りました。

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SLUSHの大きな特徴はその演出です。会場は「ホワイトロック」と呼ばれるドーム型のテントで、半球体の形状を活かした様々なプロジェクションマッピングやレーザーなどの仕掛けが登壇者をロックスターのように引き立てます。

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キーノートやピッチ、デモだけではなく例えばオリハルコンテクノロジーズ社からはデジタルプラネタリウムのデモがあったり、ヒューマンビートボックスやライブ、そしてEDM(Electronic Dance Music)もあったりとテックイベントというよりかは一大エンターティメントショーを見ている気分でした。

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IMG_4815キーノートも蒼々たる顔ぶれで、例えば元LINE社で現C Channel社代表の森川氏はこれまでの道のりを振り返り、急激に変わるマーケットに適応するための変化の重要性について話されました。また、よくある日本式の管理手法とご自身のそれとの違いを野球方式(攻守が明確に分かれており四番がホームランを打つなど定型化されている)とサッカー方式(個々のプレイヤーが状況に応じて役割を変える)に例えて話されていたのも興味深かったです。

DeNA社の南場氏は事業を始めるに当たって必要なものはビジョン・金・人であるとし、その中でも人の重要性と採用の難しさに焦点を当てました。特に創業時は最初の10名が重要で、量より質を重視する。その人の熱量・コミットメント・そしてその人と信頼関係を築けるかがポイント。この後のセッションでもSupercell社のIlkka Paananen氏がチームは常に小さくシンプルに、採用は慎重に文化にフィットする人を選んでいるとおっしゃっていました。

IMG_4833個人的にはキーノートの中で一番響いたのが南場氏のこのプレゼンテーションで、流暢な英語もさることながら極めてロジカルに、簡潔に物語が綴られていたのが印象に残りました。事業はアイデアから始まりどこかで形になるもののその間は極めて混沌としている、けれどもその混沌が一番面白い。最後には”I hope you enjoy the journey”という若い起業家へのメッセージを残して講演を締めくくられました。

その他にも数多くの講演があり、前出のIlkka Paananen氏が「(自分も含めて)成功者のアドバイスを聞きすぎることは危険(誰にでも当てはまるものではない)」とアドバイスを残したり、Cerevo社の岩佐氏とHax社のBenjamin Joffe氏のハードウェアスタートアップ対談ではApple Watchクローンを例にどのような廉価コピーに対応していくべきか?などの議論がありました。

IMG_4893日本のハードウェアスタートアップは日本のものづくりというブランドイメージを活かしてもっとグローバルに戦っていけるというメッセージもありましたが、実際、今回のSLUSH ASIAではプリンタラブルロボットのPLENや筋電義手のhandiii、またピッチのファイナリストでもあったHMDのFOVEなど独自ハードウェアを持つスタートアップの出展が多かったです。筑波大学の落合先生が発明された、超音波で物体を浮遊させ操作する Pixie Dust も展示されていました。

IMG_6922キーノートでは他にはリクルート社とパートナーを組んで日本への進出を発表したデザイナー向けクラウドソーシングプラットフォームである99designs社のPatrick Llewellyn氏とハンドメイドマーケットプレイスを提供する台湾のpinkoi社Peter Yen氏の対談があり、同じクラウドソーシングでもデザイナーのそれはエンジニアと違って作り手側の文化で制作物は大きく変わってくる、なので異文化をつないでいくことが重要という話が新鮮でした。

またaCommerce GroupのPaul Srivorakul氏と今回のイベントでも使用されていたPeatix社の竹村氏の対談では東南アジアがこれからのポテンシャルマーケットだという話があり、色々と気をつけるべきところはあるものの競合が参入しづらくローカル・リージョン・グローバルと三段階のexitを考えられるインドネシアなどの国々はスタートアップにとって魅力的だということでした。

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さて、スタートアップイベントの本質は起業家と投資家が出会う場所というところ。別会場のピッチでは白熱した応酬が繰り広げられていました。デモブースも活況でしたが、全体的に既にメディアに露出していたりどこかの企業とパートナーシップを組んでいたりするような知名度・完成度ともに高いスタートアップが多かったような印象を受けました。ちなみに排便タイミング検知デバイスのD Freeはピッチの舞台だけでなく、SLUSH ASIA 当日にクラウドファンディングでの予約販売を開始するなど話題を集めていました。

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DSC_0045ピッチのファイナリストには5社が選出され、グランプリに輝いたのは台湾のVMFive社が提供するプレイアラブル広告のAdPlayでした。これまでゲームなどのアプリは有償のものであれば購入するか、またはLITEなどの体験版をインストールしないと遊ぶ(試す)ことはできませんでした。

しかしこのAdPlayを使うと、通常のバナー広告経由で体験版アプリをストリーミングすることでユーザにインストールを強いる事なく試用してもらうことができます。

アプリDLはユーザがゲームを開始するまでの最初の障壁ですので、その点を解消したのはインパクトが大きいと思います。詳細は明らかにされていませんが仮想化に強みを持つ企業ということで既に日本でも数社のパートナーを持ち、今後は日本、韓国、中国とマーケットを広げていくとのことでした。




グランプリが発表されカンファレンスが閉会となった後も熱狂は続き、世界チャンピオンから人工知能まで、アフターパーティでは弊社が支援させていただいているDJのパフォーマンスで会場が揺れるほどの凄い盛り上がりを見せていました。

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今回パフォーマンスをさせていただいたDJについては下記の記事をご覧いただければと思います。

アジア初開催の世界最大級スタートアップイベント「SLUSH ASIA」のアフターパーティをGMOカルチャーインキュベーションが共同プロデュース

このアフターパーティへは、「Red Bull Thre3style」において世界チャンピオンの
タイトルを獲得したGMOカルチャーインキュベーション初の公式所属DJ/アーティスト・プロデューサーSHINTAROや、人工知能DJを手がける、DJ、プログラマの徳井直生や、ipadやウェアラブルデバイスを活用したPlayが各国で話題のKO-MATSUSHIMA、音楽プロデューサーでありDJとしても注目のTeddyLoidなどの出演が決定しています。

これまでいろいろなカンファレンスやイベントに参加してきましたが、ベンチャー独特の熱気とアフターパーティ、更に日本にありながら全編英語という点を含め今までにない刺激的な経験となりました。また11月にはフィンランドで本家SLUSHが開催される予定ですので、引き続きスタートアップ界隈の動向に注目していきたいと思います。

また最後に採用の告知となりますが、次世代システム研究室はこのようなイベントやセミナー、勉強会への参加を推奨しており、過去にはDevelopers Summit 2015Agile Japan 2015といった大型カンファレンスでの登壇発表も行っています。新しい技術を取り入れ積極的に発信していきたい、またはDJを擁する面白い会社で働いてみたい!など弊社および次世代システム研究室にご興味を持って頂ける方がいらっしゃいましたら、ぜひ 募集職種一覧 からご応募をお願いいたします。

皆様からのたくさんのご応募、お待ちしております。

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